「でんきを消して、スローな夜を。」

100万人の人に呼びかけたこのプロジェクトは「100万人のキャンドルナイト」と言い、15年前の2003年に始まりました。

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「夏至・冬至、夜8時から10時の2時間、みんなでいっせいにでんきを消しましょう。

ロウソクのひかりで子供に絵本を読んであげるのもいいでしょう。

静かに恋人と食事をするのもいいでしょう。

(省略)

プラグを抜くことは新たな世界の窓をひらくことです。

それは人間の自由と多様性を思いおこすことであり、文明のもっと大きな可能性を発見するプロセスであると私たちは考えます。

ただ2時間、でんきを消すことで、ゆるやかにつながって「くらやみのウェーブ」を地球上にひろげていきませんか。」

2012年にはこのプロジェクトは、主催者側により、一応の「終わり」を宣言しましたが、環境省が後援についたこともあり、あっという間に日本各地で根付いたイベントになりました。

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キャンドルナイト OSAKA

あまり難しく考えず、1年でたった2日、夏至、冬至の日だけ、でんきを消して、ロウソクを灯して、ちょっとのんびりしませんか、という提案は、「絶対にすべての電気を遠ざける」のではなく、その、ほんのりした暗闇を楽しもう!という姿勢がたくさんの人の賛同を得たのだと思います。

今年2016年の夏至は6月21日です。

6月に行われるキャンドルナイトのイベントをざっと調べてみました。

・大阪 西梅田 (6月8日に終了しています。)

・東京都 港区 大本山 増上寺 (6月19日 日曜日 11:00~21:00 まで)詳細

・新潟県 与板町 (6月18日 土曜日 14:00~21:00まで)詳細

・北海道 札幌市 (6月21日 日曜日 19:00~21:00まで)詳細

このほか、大きな自治体、小さい自治体関係なくキャンドルナイトの取り組みをしているところがたくさんあります。

ぜひ、お住いの自治体のHPなどで確認してみてください。

札幌市は、無料でキャンドルも配っています。

普通の暮らしの中では、キャンドルを灯すことはそう滅多にないことだと思います。

「買う」となるとちょっと億劫に感じることも多々ありますが、無料で配っているものなら、さらに「今年はやってみようかな?」と思う方も多いはず。

札幌近郊の方は、ぜひHPをチェックしてみましょう。

ところで、私が学生生活を過ごした北欧の国、スウェーデンでは日常的にキャンドルを灯す習慣がありました。

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これはスウェーデンに限らず、ヨーロッパの多くの国々でも同じだと思います。

恐らくキリスト教など、宗教的行事に昔から用いられていたことも関係していると思いますが、本当にびっくりするほどキャンドルを灯す時間を大切にしています。

例えば、家族でゆっくりと過ごす夜の時間は、照明を落とし、部屋のあちこちにキャンドルを灯したり。

仲間同士で夕食後にゆっくりおしゃべりをする時などにも、必ず誰かがキャンドルを持ってきて灯したりしていました。

そして大切なゲストを迎える時には、日中でもキャンドルに火を灯し、ゆらめく炎もお客様への「もてなし」の一つとするのです。

こんな時には、少し大きめのキャンドルなど、普段使いではないちょっとゴージャスなキャンドルを使ったりもします。

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夏至のころは特に暗くなるのが遅いので、電気の明かりをつけずにキャンドルを灯し、その夜が更けていく時間まで愉しんでいたように思います。

実際に、夕食の時間など、電気の明かりを点けずに、キャンドルだけでご飯を食べてみてください。

いつもの普通のご飯も、キャンドルの淡い明かりが雰囲気を上げて、それだけでおいしく感じるはずです。

特別なキャンドルは必要ありません。

今なら100円ショップにも売っている、アルミの入れ物に入ったティーライトキャンドルは、もっとも手軽に楽しめるロウソクだと思います。

1つだけだと寂しいので、3,4個を陶器の上に載せて灯すだけ。

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これだけでも十分雰囲気を楽しめます。

そして大きさは小さくても、燃焼時間は約5時間ありますから、何回かに分けて使うこともできます。

ただティーライトキャンドルはロウが溶けやすく、カップの中がすぐに透明な液状になります。

この液体はロウが溶けているものなので、とても熱くなっています。

人の手や顔にかかると、やけどをします。目に入ってもとても危険です。

小さなお子様などには特に注意が必要です。

消してしばらくはそのまま置いておくのがベストです。

見る見るうちにロウは固まり、白くなっていきますから、十分冷めてから移動させたり、片付けをしてください。

ティーライトキャンドルはアルミのカップの他、耐熱プラスチックを使ったものもあります。色がついていたりカラフルなものもあるのでこちらもチェックしてみてください。

ちなみに、細長い、教会などでよく見るキャンドルは「テーブルキャンドル」と呼ばれます。

キャンドルは、ロウの品質により、ススの量や臭いの強さが変わります。

パラフィンが原料のものが一般的ですが、臭いが気になる方や、お子様のいるお家では、蜂の巣からとった「蜜蝋(みつろう)」を使ったキャンドルもお勧めです。

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蜜蝋キャンドルは色も臭いもまるでハチミツのようです。ナチュラルなものが好きな方には特におすすめです。

ナチュラル志向の方には、私が作っている木のロウソク立て、「Linga」もお勧めしたいと思います。

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無垢材を使い、一つ一つ手作りで仕上げているこのロウソク立ては、それぞれにくぼみをつけて、繋がっていくようにしています。4本それぞれの高さを変えているので、まっすぐのラインも、曲線でも、そして4本を輪(リング)にしても、リズミカルな木の温もりが愉しいと思います。

是非取り扱いショップでご覧になってみてください。(YUIQ  フラノ寶亭留) *工房でも販売しています。

最後に、キャンドルナイトを楽しむうえで注意して頂きたいことがあります。

それは「火事」です。

ロウソクを点けたところからは、絶対に離れないようにしましょう。

点けっぱなしで寝てしまい、気が付くと家が燃えて・・・となってしまっては大変です!

点けたら消す。

自然に消えるのを待たず、消したことを確認することが愉しい夜の最後のオツトメです。忘れないでくださいね。

それでは、夏至の日、すべての人々に素敵な夜が訪れますように・・・。

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投稿者プロフィール

Akio Shimada
Akio Shimada
1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。

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