「夫婦で『フラノ寶亭留』宿泊する度に、館内に展示されていた木象嵌の存在が気になっていました。

もともと木象嵌が好きなのですが、島田先生の作品は工芸の域を超えた芸術作品であり、見た瞬間に強く惹かれるものだったのです。
作品を表現する際にあまり使わない言葉ではありますが、不思議と「清潔感」や「透明感」のようなものが感じられたんですよね。

 引っ越しをするにあたり、玄関の壁のデザインを選びながら、心のなかで「ここに必ず、先生の象嵌を飾ろう」と決めました。

ずっと憧れていた「蓮」の作品を購入し、玄関に設置していただく際に、初めて先生ご本とお会いすることができました。
作品から感じられた「透明感」や「清潔感」は、ひたむきに作品と向き合っていらっしゃるであろう先生のお人柄が、にじんでいるからなのだと納得。

私は絵画などの美術品が大好きなのですが、自分の心にフィットする作品との出会いというものがあるんですね。
それは著名な作家さんかどうか、有名な作品かどうかはまったく関係がなく、心に響く出会いなんです。

 玄関を出入りする度に、作品を目にすることができて幸せです。
1日に何十回も出入りしたくなるほど!
さまざまな質感の木の組み合わせで完成した作品は、遠くから眺めても、近寄って木目の美しさを見ても飽きることがありません。
私の母や親戚も、我が家に来る度に作品の前で立ち止まり、「いいわねぇ」と見惚れています。
眺めるほどに奥深さが見えてくる、「惹きつける力」のある作品なのだと思います。」

「島田よりT様へ

作品を設置しにT様のお宅へ伺ったのですが、飾られているもの一つひとつが「自分たちの好きなもの」だと伝わってくる、とても素敵な空間でした。
そこに私の木象嵌を加えていただけたことを本当に心から光栄に思っています。

玄関でT様ご夫妻にお手伝い頂きながら「蓮」を飾らせて頂いた後、お茶を頂きながらお二人と談笑させて頂きましたが、専門店の職人さんが手がけたさまざまな作品について教えていただいていたら、あっという間に2時間経ってしまったことも良い思い出です。

美しい空間に「美しく」人生を過ごしていらっしゃるT様ご夫婦に、木象嵌「蓮」がご縁となってお会いできたことに心から感謝しています。」