島田 晶夫(Akio Shimada)
プロフィール
1971年 北海道苫小牧市に生まれる。
北海道おといねっぷ美術工芸高等学校、高岡短期大学(現富山大学)で木工を学び、富山、岐阜などで修業を積む。
スウェーデン交流センター木工房勤務を経て、スウェーデンに渡る。
1997年カペラゴーデン手工芸学校に入学。北欧の木工技術を学び、卒業。
一年間スウェーデンの家具工房で勤務し、その後2001年に帰国。
北海道当別町に工房を構える。
2007年に日本人としては初となるスウェーデン家具マイスターの称号を授与される。
日本では数少ない木象嵌の製作を行っている。
個展、グループ展など国内外で多数出展している。
‐受賞歴‐(木象嵌)
2002年 第5回 北の生活産業デザインコンペティション 入選
2004年 第4回 暮らしの中の木の椅子展 入選
2015年 藝文京展2015(京都) NHK京都支局長賞
2019年 第66回日本伝統工芸展 入選
以後4年連続入選
2020年 第60回東日本伝統工芸展 入選
以後4回連続入選
2020年 第67回 日本伝統工芸展 入選
2021年 第61回東日本伝統工芸展 朝日新聞社賞
2021年 伝統工芸木竹展 入選
2023 年 第70回日本伝統工芸展 第70回記念賞
-島田晶夫の木象嵌ができるまで-
象嵌作業の様子を動画でご覧いただけます。(フラノ寶亭留での展示会のインタビューの動画です。)
1. デザインを決めます。
どんな作品にするのか、写真やイラストなどを基にしてスケッチを描きます。
実際に外に出て行き、花の咲いているところや葉っぱがどんなふうについているのかなど観察することもあります。
2.下絵を作ります。
スケッチから木象嵌用の原画(もとになる絵)を作って行きます。
象嵌しやすいように、花のサイズを整えたり、花びらの形を整えます。
この原画案から下の写真のように木に写すための下絵を作ります。
3.トレース(写す作行)します。
出来上がった下絵を象嵌のベースとなる木に写し取って行きます。下絵と木の間にカーボンペーパーを置き、少しずつ上からなぞっていきます。
木を傷めないよう、慎重に慎重に作業を進めます。
4.象嵌作業を始めます。
デザインカッターを使い、ひとつひとつ形にそってを切り抜きます。
時間と手間を惜しまず、じっくりと進めいて行きます。
5.象嵌作業が終わったら圧着します。
プレス機という機械を使ってベニヤの基板に圧着します。象嵌は薄いペラペラの状態の木のシートですので、このように板に貼っていきます。
象嵌の全面にボンドを塗って、その上にベニヤを置き、上から重みをかけて貼り付けます。
ここで圧着に失敗すると、すべて初めからやり直しです。
毎回祈る気持ちで作業します。
6.フレームを作ります。
機械場での作業です。
家具職人でもある私にとっては機械場での作業は楽しい時間です。
7.仕上げをします。
表面の凹凸をサンドペーパーで研ぎ、平らにします。手で触ってすべすべと平らになるまで丁寧に何度もかけていきます。
塗装をして乾燥させます。
8.完成です!!