令和二年、初めてのブログです。
皆さま本年もよろしくお願い申し上げます。

子年の始まり、皆様はどのようにお過ごしになったでしょうか。
毎年作っている十二支の象嵌、今年はこんな「子」を作ってみました。

私事ですが、今年のお正月は思いがけず10日間のお休みを頂くこととなりました。
自分の予定というよりも、工房のあるスウェーデン交流センターが年末年始で10日間休館することになったためで、駐車場に除雪が入らなかったり、集中暖房なので暖房が入らないといった「大人の事情」的な理由でした。

でも、思いがけなくのんびりとお正月を過ごし、十分すぎるほどの充電ができて、良いスタートを切ることが出来ました。

もちろん、毎年恒例、親戚が集まっての、子供たちによる4種混合カルタ大会は今年も大盛況でした。

こんなことを書くと、「自営はいいよな」、とか「セレブなわけ?」とか、そんな嫌味を(悪気のない友達からのメールですが。苦笑)言われてしまうのですが、まったく仕事をしないで遊び呆けていたかと言えば、そんなことができるわけもなく、ちゃんと一部の象嵌仕事は家に持ち帰ってコツコツと仕事しておりました。

今回は小さなピースを、とにかく何度もつないでいくという作業を持ち帰っていたので、材料を正確に切り抜き、そのピースとピースを接着しては一定時間圧力をかけるという作業を一日に何度もしなくてはなりません。

せっかく家族で楽しんでいるテレビ番組の途中でも、ブーブーと携帯のタイマー音が鳴れば、大急ぎ自分の部屋に戻り、40分ほど作業をし、そして今度は圧着が終わるまでの40分、またリビングに戻り家族と過ごし、またタイマーが鳴れば部屋に急行し・・・、とそんな日が何日かありましたので、先に「のんびりと過ごし」と書きましたが、自分でも「まあ、仕事もしてたよなー。」という感も大いにある、そんな感じの休みであったことを強調したいとは思います。笑

とにもかくにも、昨年の12月もこの年末年始の長期休暇があるために、早くに仕事を終わらせねばという思いでスケジュールもキューキューに詰めていました。

お約束の象嵌を年内にお届けすることもでき、いくつかの雑多とした仕事もなんとか片づけ、そんなことと並行して作ったのが子年の木象嵌でした。

十二支の象嵌を作り始めてもう7,8年になりますでしょうか。
年賀状を作る際、せっかくなので自分の象嵌のデザインのものを送りたいな、と思いついたのが始まりだったのですが、思いがけずご好評頂いて、作品としてご注文いただいたり、いくつかの作品は限定デザインのポストカードにして楽しんでいただいています。

中には自分の干支にちなんで作って欲しいという方もいらっしゃり、いろいろ考えながら作っているうち、「十二支」というこの習慣が年齢を重ねることでさらに愛着がわいて、自分の干支の動物を愛しむ気持ちが強くなるのかもしれないな、と思います。

私自身昨年の「亥年」は自分の干支でしたので、なんとなくイノシシが可愛くて身近に感じることが多かったと思います。
恐らく若い時にはそんなことを考えたこともなかったかもしれません。
けれど、12年に一度の自分の生まれ年と言うのは、年を取るほどに早く来るような気がして、そうするとに逆に自分の年齢を顧みる機会にもなり、ついつい12年前の自分、そして12年後の自分を考えてしまいます。

過去のことは変えられません。
でも、この先の未来はまだまだ自分で作って行かなくてはならない。
いくつになっても、まだまだ夢はあり続け、その夢に近づけるよう努力する日々は、自分が思っているよりもずっと先の先まで続いている気がします。

ここでいい。

そんな場所は、生きている人生であってはいけないのかもしれません。

最初にご紹介した木象嵌「子」ですが、まだまだ真っ白い身体(まっさらなと言う意味)で今年も駆け抜けようとしている気持を表現した白いネズミと、木目をちりばめたようなデザインで作った茶色いネズミを、これまでのいろいろな経験を持った自分を映した影として考えてみました。

まだフレームを作る時間がありませんが、近いうちにきちんと額装して飾ろうかなと思います。
今年一年、自分を常に顧みることができるように、二匹のネズミ君達に見守ってもらおうと思います。

こちらの「木象嵌 子」は、今年ももちろんご注文を受けております。
子年の方へのプレゼントにも喜んでいただけるのでは、と思っています。
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投稿者プロフィール

Akio Shimada
Akio Shimada
1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。

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