先日初めてyoutubeで木象嵌を作っているところをアップしてみました。
初めてのことだらけで、お見苦しい点もあるかと思いますが、一度ご覧頂けましたら幸いです。
こんな風に最初から最後まで作業を撮影して、自分で見返してみると、どんなふうに象嵌が出来て行くのか、工程がよくわかるのが良いなと自分でも思いました。
文章でも、工程を簡単にご説明してみようと思います。
それでは、最初から見て行きます。
1 ベースになる木の部分を作り、それに下絵を写す準備をします。
2、下絵を写していきます。
ただ写すだけの作業なのですが、結構時間と集中力が要ります。うっかりしていると写し漏れが出てしまうので、何度も確認しながら進めます。
3、写し終わったことを確認して、切り抜き作業に入ります。
デザインカッターを使って、写した線に沿って一つ一つ切り抜いていきます。
まず、花びらを3枚切り抜いたところです。
ここに嵌める方の木を下に重ねて、もう一度切り抜いた花びらとぴったりになるようにこちらも切り抜きます。
4、切り抜きと嵌めこみを同時に行いながら作業を進めて行きます。
時間はかかりますが、すべて手作業のみで行います。気の抜けない作業の連続です。
切り抜いては嵌め、それを裏面からマスキングテープで仮止めします。
「絵」ができるまでその繰り返しです。
ほとんど嵌め終わりました。この作業が終わったら・・・
5、圧着作業に入ります。
ベニヤに圧着していきますが、このプレス機で上からぎゅっと圧をかけ、しっかりとベニヤと象嵌を接着します。
失敗するとすべてやり直しです。もちろん過去には失敗したこともあります。
動画や写真ではさらっとやっているように見えますが、とても慎重に作業しています。そして「無事に接着しますように・・・」と心の中で願掛けです!
6、フレームを作って行きます。
まずは機械で材料を切りそろえます。真ん中ののこぎりの刃が怖いですね・・・。もう慣れていますが、映像で客観的に見ると自分でもちょっと怖いです(苦笑)。
7、組み立てて、角に入ったホゾをノミで仕上げて行きます。
意外に手工具を随所で使っています。カンナもノコギリもそしてノミも毎日のように使います。
象嵌だけではなく、フレームもきちんとしたクォリティを心掛けています。
8、サンドペーパーをかけて表面を滑らかにします。
その後塗装します。
9、無事に圧着した象嵌を仕上げます。
サンドペーパーで表面を滑らかに仕上げ、塗装します。
10、フレームに象嵌を入れて裏側を閉じ、完成です。
作品は先日無事にお客様にお届けさせて頂きました。
とても喜んでいただきました。
何より私にとってはうれしい事です。
木の温もりは、見る人に穏やかな気持ちになって頂けることを、この一年何度も感じることになりました。
自分の作品が、あなたへのエールになることを信じ、また作品に向かいたいと思います。
投稿者プロフィール
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1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。
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