
暑くて長かった今年の夏。
いつになったら秋風が吹くのかなと思っているうち、トンボが飛ぶようになりました。
そして、木々の葉も日、一日と変化し始めて緑から黄色や赤へと変化します。
朝晩、キュッと冷える日が増えてくると、風に吹かれて木々の葉がサラサラと音を立てて落ちていきます。
落ち葉の季節です。
この時期はとにかくいろいろな葉っぱが色を変え、形を変え、道路に、道端に、駐車場に、と積もっていきます。
そして落ち葉とともに何とも言えないこの葉が織りなす音たち。
サラサラ。
カサカサ。
誰かが踏む音はバリバリ、と。
工房を構える当別町は風が強い地域でもあります。
石狩川が近く、材木川という支流も流れている、そのせいかもしれません。
強い風が吹くと強風に揺られ木々が大きく揺れます。
そして一斉にどこかに旅立っていくかのように空高く葉が舞って流れていきます。
この「葉」の象嵌は、この自然豊かな工房にいるからこそできた作品だと思っています。
工房から見ることのできる木々、北海道に自生する木々を、その木を材料として嵌めている作品です。
朴、ナラ、セン、白樺、そして唯一材料が手に入らないのでチェリーを用いて制作しているニセアカシア。
アクセントに、どんぐりと朴の花を添えています。
多くの方に愛されているこの作品は、縦長、横長を始め、いろいろなサイズで作らせて頂いています。
一年中見ていても飽きない、とよく感想を頂きますが、それが「葉」の持つ魅力かもしれません。
壁だけではなく、置いても楽しんで頂けるよう小さな家具でも作ってみました。

本格的な冬の訪れまであと2か月。
落ち葉の様子や落ち葉が織りなす「音」を堪能しに、ぜひおいで頂ければと思います。
投稿者プロフィール

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1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。
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