今年は雪が遅いのか、まだまだ降る気配もなく不思議な感じすらしてきました。
ここ連日工房に泊りこんで作業に没頭しているので、外の世界とは隔離されつつありますが、それでもこの時期に見えるはずの風景がいつもと違うとなんだか一人季節から取り残されているようにも感じます。

さて、この11月、12月は私事ではありますが、3つの展示会を掛け持ちしています。
グループ展が一つ、そして個展が二つ。
どれも私にとっては大切な展示会で、納得のいく作品を展示したいという想いが強く、とにかく「がんばる」のみ、の日々なのですが、そんなスケジュールの時に不思議とメディアからの取材が入るというのも、私にとっては「あるある」な出来事です・・・。苦笑。

「BRUTUS」
こちらは直接取材を受けたわけではありませんでした。

私が作品を置かせて頂いている円山の「sabita」様が掲載されたのですが、結果として私のご紹介をしてくださるような記事にして頂いてしまいました。

今月号のBRUTUS11月号は、ずばり「札幌の正解」というサブタイトルで、道外の方はもちろん札幌市内や近郊に住む私達にとっても思わず手に取りたくなるようなタイトルです。

実は本屋さんで偶然見つけて、「お!後で買うか・・・」と思いつつその時は時間が無くて購入していませんでした。
そしてその直後にsabitaのオーナーからお電話が入り、「実はうちが取材されていて、その時に島田さんのことをお話して、島田さんの作品が写真で載っているわよ!」と教えて下さったのです。

「えぇー!?」
すぐに本屋さんに走りました。
まさか自分のことが載っているなんて思わなかったんです。

全国誌に自分の名前が載るのは、数年前の「ソトコト」以来のことでした。
やっぱり照れますが、嬉しいものですね。

最近の私は象嵌を中心に製作活動を行っていますが、sabita様に扱って頂いている「箸箱」や「カトラリーケース」は、私のモノづくりのエッセンスが詰まった小物です。
造りにこだわって、見た目に美しく、そして使いやすさを追求しています。

写真ではわかりにくいですが、箸箱もカトラリーケースも、上部から底に向かって木の厚みが違います。
一見しただけではわかりませんが(わからないように作っているんですけど)、こうすることによって繊細さと強度の両方を出しています。
BRUTUSには載っていませんが、シリーズのトレーも同じように作っています。

なかなか量産できないけれど、sabita様でも待っていて下さるお客様がいらっしゃるとの事。
「BRUTUSを見て・・・。」という方もいらっしゃるとお聞きし、これは何とか製作して早くお持ちしたいなという気持ちでいます。

象嵌とは全然違う作業ですが、どっちが好きかと言われると、答えが出ません。
やっぱりこういう木の質感を出す家具、小物作りも好きなんだなー・・、と自分でも苦笑しながら、この象嵌作りの嵐の中に「箸箱」「カトラリーケース」の製作を入れる変更スケジュールをずっと考えています・・・。

「STVラジオ 日高晤郎ショー フォーエバー」

日高晤郎さんのことは小さい頃から名前とそのお声をよく存じ上げていました。
「日高晤郎ショー」は北海道のラジオ界の中ではモンスター番組とも言える、長時間でありながら絶対的なファンに支えられた名物番組でした。
調べてみると、日高晤郎さんはラジオのパーソナリティとしてSTVラジオに40年出演され、日高晤郎ショーは35年間続けられたそうです。
今年の3月末にご病気でお亡くなりになり、たくさんの方が哀悼の意を捧げていらっしゃいました。
この番組を楽しみに、毎週9時間の放送をお聞きになっていたリスナーは数知れず・・・。
9時間ってすごいですよね。

そして、日高晤郎さん亡き後も、番組のスポンサーさんが誰一人降りようとされなかったというのも、日高晤郎さんのお人柄があってこそと言えると思います。
結果、「日高晤郎ショー」の名前を残し、パーソナリティを吉川のりおさんに継投して新たな番組として始まった「ウィークエンドバラエティー 日高晤郎ショーフォーエバー」。
小さかった頃、そしてやや成長してからも、まさか自分がこの番組に出るとはまるっきり想像もしたことがありませんでした。

ご連絡を頂いたのは放送の1ケ月前くらいだったと思います。
「ラジオの生番組です。お願いできませんか?」

自慢ではありませんが、人前でお話することは小さい頃から苦手と思ってきました。
それもラジオで生番組、スタジオはガラス越しに見ることも出来ると言う事で観客もいらっしゃるとのお話です。

「やります!ありがとうございます!」

自分でもまさかの即答でした。
年相応に場数を踏んできたというのでしょうか。
「何とかなるさ。」の気持ちの方が強かったようです。

さて、出演するのは「のりおの情熱図鑑」というコーナーで、いわゆる中堅層の年代でいろいろな事に挑戦している人を掘り下げるコーナーとの事でした。

30分間。何を話したらいいのかな。そう思っていました。

当然事前の打ち合わせはありましたが、思っていたよりも軽ーいもので、「好きな食べ物は?」「趣味は?」「特技は?」そんな質問に答えるもので、当日も出演の前にスタジオに入ったものの、打ち合わせではなく雑談しているうちに本番に入ってしまったような感じでした。

お聞きになってくださった方もいらっしゃるかもしれませんが、とにかくのりおさんに乗せられて、自分でも思っている以上に言葉は出てきて、見ている観客の方も笑って下さり、「象嵌」をテーマにした割には難しくならなくてよかったかなと思います。

家で聞いていた家族にも「楽しかったよ。台本合ったの?」なんて言ってもらえて、その場の体当たりトークにしては上出来だったのかなと思います。

でも、家に帰ってきてジャケットを脱いだら、びっくりするくらい脇汗がワイシャツに染みて濡れていました。
どれくらい緊張したのか、自分でも苦笑、苦笑です。
風邪をひかなくてよかったな。
そう思いながらとても良い経験をさせて頂いたと、STVラジオに心から感謝の気持ちでいっぱいです。
もしまたチャンスがあったなら、もう少しこんなことや、あんなことも話したいななんて、そんな欲が出る自分にも可笑しいですが。

「某新聞に・・・」

さて、ラジオの収録の前に実は某新聞に掲載される記事の取材を受けました。
まだ、記事の編集中なので、ここではまだお話しできませんが、掲載される前にはお知らせしたいと思います。

しかしながら、今回の取材は、実にスウェーデン時代の私がテーマでした。
先日恩師やらお世話になったインストラクターやら、たくさんのスウェーデン人の知人と旧知を温めた直後のこと。
こういうのって、偶然というか、必然というか。
面白いなと思います。

とにかく雑談も含めて3時間以上のインタビューでしたが、それを小さな記事にまとめ上げる編集者の方ってすごいなーと思います。
私は話すこともそして書く事もあまり得意ではないので、インタビューするというのは立派な特技だなとつくづく思いました。

どんな記事になるのか、楽しみです。
多くの方に読んでもらえるといいなと願います。

この流れでこの忙しさの嵐にまた取材が、なんてことが、やっぱりあってもいいですよねー。
自分を知ってもらえる機会ということのありがたさを感じながら感謝しています。

投稿者プロフィール

Akio Shimada
Akio Shimada
1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。

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