メインの作業机

2023年、いよいよスタートしました。
今年のお正月は思い切って家に仕事を持ち帰りませんでした!
とにかくのんびり休んでエネルギー補充と決めてゆっくり過ごすことができました。
おかげさまで、少し体重が増えてしまうほど(苦笑)心身共に元気になって仕事始めを迎えました。

新年早々にこなさなくてはならないスケジュールを書き出しておきました。
ここはやっぱり頭から遠ざけることができないものですね・・・。
そのせいで、工房に着いた途端に仕事モードに切り替わる自分にちょっと可笑しくもあり、休みの余韻に浸りたい気持ちもあり、もどかしさとやる気を感じた初日でした。

今年は昨年に引き続き伝統工芸展への挑戦、そしてコロナが落ち着きを取り戻してきた状況を踏まえてより多くの方に作品をご覧いただける機会を持ちたいと考えています。
この3年間思うように展示会を持てなかったり、また開催できてもお声をかけるタイミングを逸したり。
たくさんの方から「いつ展示会ありますか?」とご質問頂いても、なかなかはっきり言えない自分にもどかしさが残ることが多かったです。
私の作品を楽しみに待っていてくださる方がいる、それが私を本当に元気づけてくれました。
感謝の気持ちは作品に込め、ぜひまたこの3年間の私なりの頑張りをご覧いただけたら本当に嬉しく思います。

2022年三越での個展風景


また、ここ数年取り組んできたお茶のお道具も、少しずつですが自分なりに形になってきた手応えを感じます。
さらなる作品の昇華を目指したいと思います。

札幌のお茶の先生に送っていただいた写真

これまで多くの作品を作らせて頂いてきました。
そしてご注文をいただきながら制作活動を続けて来られたのも、これまでお会いした多くの方々のおかげと改めて感謝の気持ちでいっぱいでおります。

ふと気が付けば、お一人お一人に向き合わせて頂き、自分なりの精一杯で作品作りをさせて頂き、それが私とお客様どちらの喜びにもなっている、本当に幸せな仕事と改めて思います。
おかげさまで、その思いがお客様に届いているのかこれまでいわゆるクレームというものが全く無く、それもまた私のモチベーションになっています。
そして、リピートしてくださるお客様が多いことも私にとっては何よりのエネルギーの源です。
それぞれに旅立っていった象嵌の作品が、それぞれのお客様のもとで私とお客様をつないでくれている。
長く生きた木が作品になり、また永く愛される存在になる。
作り手にとってこんなに嬉しいことはありません。

昨年末にあるご夫婦のお客様をお尋ねしました。
ご注文に関してのお打ち合わせ、そして採寸などでお邪魔しました。
このお宅には5年以上前に作品を納めさせていただいたのですが、玄関に飾っていただいたその作品との5年ぶりの再会に本当に嬉しい気持ちが溢れました。

打合せ、採寸が終わっても、その後この5年の間のことやコロナのこと、お孫さんのことや飼っていらっしゃるワンチャンのことでたくさんお話しさせて頂きました
話が尽きることなく、本当に楽しい時間でした。
これも作品がつないでくれたご縁のおかげ、私の作品を愛でてくださるお客様のおかげ、本当にありがたいと思います。

日々制作活動をしていて、上手くいかないこと、愚痴りたくなること、たくさんあります。
でも、それを越えて毎日仕事に打ち込めるのは、こうして応援してくださる多くの方のお気持ちが私の心にあるからだと思います。

まだまだやりたいこと、至らないこと、たくさんあります。
もっともっと上手くなりたい・・・。
木工の技術一つとっても50歳の齢を超えてなおまだまだ習得したいものがたくさんです。

コツコツ、一つ一つ。
木という素材と向き合うものとして、この一年もまた切磋琢磨して良い作品を作っていきたいと思います。

制作を支えてくれる相棒たち

今年も多くの皆さまとお会いできることを願っております。
どうぞこれからもお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。

投稿者プロフィール

Akio Shimada
Akio Shimada
1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。

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