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北欧インテリアと言えば、シンプルでモダン。

憧れの存在でこそあれ、いざ実践するとなると、何をどうしたらいいのか、と迷うこともしばしばではないでしょうか?

でも、本当にみんなインテリア誌のような家に住んでいるのか、と疑問に思う事はないでしょうか?

実際に、私の友人の住まいから、「普段着の北欧インテリア」を見ていきます。

下の写真は、私のスウェーデン人の友人夫婦の実際の住まいのものです。

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北欧インテリアを体現したようなこの自宅、実は5歳と1歳の子供もいる、普通の家庭のリビングです。

場所は、スウェーデンの首都ストックホルムから、車で1時間弱の場所にある、小さな町の一角です。

ストックホルムのベッドタウンというところでしょうか。

築25年ほどの中古住宅を購入し、自分たちで手直ししたり、インテリアを工夫して住んでいます。

決して新しい家ではないので、何より、天井高があまりありません。

けれど圧迫感がないのは、壁、天井が白いこと。

そして、使う色を、この白をベースに、黒と赤に絞っているからです。

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上の写真は、ソファ横にある本棚のもの。

雑多と本が置かれているようで、決してバラバラな印象になっていません。

このあたりの置き方、飾り方が、北欧インテリアのいわばツボのようなものなのです。

北欧の人たちは、昔から「住まう」ことに特に力を入れて過ごしてきた人たちです。

理由は様々でしょうが、よく言われるのは「冬が長いから」。

家で過ごす時間がどうしても長くなってしまうので、少しでも快適に、心地よく過ごしたいという想いが、こうした美しく、しかも合理的な住まいを実現させているのだと思います。

実際に私が住んだ4年のスウェーデン暮らしでも、このことを痛感することはたくさんありました。

何より、インテリアショップなどで売られているもののレベルが高く、見た目はもちろん質感や耐久性などにも配慮がなされたものが数多くありました。

良いものを選び、それを何代にも渡って使っていく。

そういう考えがしっかりと浸透しているので、「良いものを選ぶ目」が小さいころから培われるような、そんな環境になっていると思います。

そしてモノが少ない・・・。

スウェーデンで友人の家に行くたびに思う事は、日本ほどものに溢れかえっていることが少ない、ということです。

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上の写真は、さらにリビングを、ソファの後ろ側から写したもの。

よく見ると、赤ちゃんがお昼寝できるようにベビーカーが置いてあります。

でも、決してインテリアを乱すことなく、自然にそこにある様子は、やはり色の統一感なのだと思いました。

リビングを一回り写真で見ても、「スッキリ」しているのは、この部屋に必要なものだけを置いているからなのです。

不要なものを置かない、溜めない、持ち込まない。

そんなことを実践しているのが、北欧インテリアの基本だと思います。

この家の間取りは、地下にテキスタイルデザイナーである奥さんの作業場が一部屋、そして、1階にこのリビングルームとキッチン、2階に子供部屋、夫婦の寝室、そしてゲストルームというものです。

リビング以外はそれぞれが、日本でいうと6畳から8畳くらいの部屋で、子供部屋はちょっと小さめのイメージです。

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こちらはキッチンの写真。

やはり白で統一されていて、そしてできるだけ外に物を置かず、きちんと収納スペースに納めているため雑多な感じがありません。

本当に1歳と5歳の子供がいるのかな?と思ってしまうほど片付いています。

片付けるスペースを作ることが大切な要素であることがわかります。

テーブルが広いので、ここで調理の準備も、そして大人4人子供2人の食事も、余裕をもって取ることが出来ます。

テーブルが広いことが、部屋の広さを逆に最大限に引き出している、良い例だと思います。

こちらは子供部屋の様子です。

さすがにおもちゃのみ、ですが(笑)キッズ用のテーブルや椅子、それにお人形用のベッドなど、ちょっとしたものが部屋の印象を上げています。

北欧インテリアを体現するとしたら、こんな風にまず必要なものだけを選ぶことから始めるといいかもしれません。

新たに「北欧風」のチープな家具などを揃えるより、不用品を選び出してまず捨てること。

そして、スペースができたら永く使えるものを一つずつ揃えていく。

それが本当の北欧インテリアの体現になると思います。

私がスウェーデン留学中にこんなことがありました。

80歳くらいのおばあちゃんが学校に来て、「椅子を直してほしい」と言うのです。

先生に頼まれて、私が修理の担当になることに決まり、早速おばあちゃんに詳しく話を聞きました。

すると、「その(直してほしい)椅子は、私のお爺さんが作ったもので、私の父が使い、そして私も子供の頃に毎日座っていました。自分の子供にも使わせていたのですが、近々孫が生まれるので、その孫にも使ってもらえるようにしたいのです。」と言う話でした。

おばあさんのお爺さんだから、???と数えると、もう6世代も続く椅子と言うことになります。

こんなにも長く使われる椅子なんて、幸せだなーと思うと同時に、こうして大事なものを修理しながら伝えて行く、その北欧の文化が、北欧インテリアの思想の核なのだと、心底感銘を受けました。

今、スウェーデン発祥のIKEAを知らない人はいないと思いますが、安価なものであっても、デザインの質の高さをコンセプトに全世界で販売しているインテリアショップです。

でも、北欧の人は、IKEAで買うものと、もっと高いお金を出しても買うべきインテリアをきちんと分けて選んでいます。

見た目、長持ち度、必要性の優先順位。

何より、クォリティとコストのバランスを、どんな小さな買い物でも意識して選ぶことが、普段着の北欧インテリアの始まりと言えます。

普段着の北欧インテリアは、雑誌の写真より「これなら真似できる」という想いにさせてくれたのではないでしょうか?

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投稿者プロフィール

Akio Shimada

1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。

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