H様の「ワインセラーを収納する飾り棚(ワインセラーキャビネット)」を納めて少し時間が経ってしまいましたが、今日は以前に書いたブログの続きとして、作っている様子、そして納めた時のこと、完成した家具のご紹介をしたいと思います。

以前のブログでは、下絵を描いてご提案したところまでをご紹介しましたのでその続きから。

(以前のブログも読みたいという方はこちらをクリック)

その1
その2
その3
その4

最終の下絵を作り終え、いよいよ象嵌の作業と家具の製作作業を同時に進行させるべく工房での製作が始まりました。

今回の「ワインセラーキャビネット」はとにかく構造も複雑、金具も多種多様に使うため、目の前に使う予定の金物、金具をずらりと並べて確認しながら作業しなくては頭がこんがらがってしまいそうでした。

 

 

 

 

 

 

 

こんなねじ、ナットもサイズが異なるものを数種類用意します。

こちらの写真は扉用のヒンジです。目に入るところのものは、真鍮色やステンレス色のもの、または黒や茶色など家具に合わせて選びます。

こんな部品を見てもなんだかわからないかもしれませんが、家具はこのほかにもたくさんの金物が使われています。

家具の性能や耐久性を上げるため、ねじ1本でもとても大切なんです。

金物も日本製もあれば中国製や他外国製など今はいろんなものが出回っています。
価格も違いますし、安心度も違います。

予算にもよりますが、金物はやはり安心できるメーカーのものを使いたいと思っています。
それが長く使っていただけるお客様への安心につながるからです。

話がそれましたが、象嵌もこんな感じで作業開始です。

葉っぱに書いているカタカナやマークは象嵌する木の種類を書いています。
途中でわからなくならないように先にマーキングしているのです。

こんな感じになりました。

もう一面の犬達がいる方はこんな感じになっています。
ここまでくるとホッとしますね。

そして本体を仮組みしてみます。

うんうん。
いい感じです。寸法もぴったりのようです。
ここに象嵌を入れたパーツもつけていきます。

大きい家具なので、ちょっと作業しては離れて見て確認、近づいては離れて見て確認、一日中確認が続きます。

そしてそれぞれのパーツは完成したものの、工房で一人ですべてを組み立てられないほどの大きさと重さのため、この先は現場頼みです。まだまだドキドキが続きます。

作業を始めておよそ1か月半ほど。
ようやく納品の日にたどり着きました。

納品用にハイエースをレンタカーしてきました。
すべてのパーツ、そして組み立て用の工具や道具。養生用の毛布など積み込んでいます。

そしていよいよ搬入が始まりました。

まずはどんどんお部屋の中に家具を運び入れます。
H様も興味津々でご覧になっていらっしゃいます。

今日はアシスタントにS君も応援に来てもらっています。大学3年生、木工を勉強している学生さんです。

一つ一つパーツを設置します。

ガラスもあるので、作業は慎重に。
天井までのぴったりの高さの家具のため、家に入るとかなりの存在感です。

扉をつけていきます。
現場で本体を削って微妙な寸法を合わせます。

ねじ!ねじ!
これを取り付けていよいよ完成です!

ぴったりです。
一同、ほおおおお。一安心。

では、完成した家具は…といいますと。

後日カメラマンの藤倉翼さんにお願いして撮影会をしたのです。
プロの撮影した写真でご覧ください!!

犬君たちも美しく撮ってもらっています。

和気あいあいの撮影でしたが、H様にも楽しんでいただけたようで、本当にありがたく良かったなと思っています。

初めてH様にお会いしてから約1年間かかりましたが、こうして無事に納品することができ本当に心からホッとしました。

そして、何より「島田さんにお願いして本当に良かった! 想像していたよりもずっといいものを作って頂きました!」とH様ご夫婦におっしゃって頂き、本当に嬉しく幸せな気持ちになれました。

象嵌の入った家具は、象嵌作業はもちろんその製作も複雑で、時間もとてもかかります。

でも、H様のようにご理解を頂き、長い時間お待ちいただいた後にこうして喜んでいただける作品に仕上がったことは、自分でも本当に「良い仕事をしたな!」と言う気持ちになります。
もの作りしている作家にとって何よりありがたいことです。

今回も「想い」を「かたち」にできたのかな、とホッとして思っています。

H様との出会い、そして学ばせて頂いたこと。
またこれからも大切にして、次の作品に向き合いたいと思います。

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投稿者プロフィール

Akio Shimada
Akio Shimada
1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。

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