6月はインテリアを変えたくなる人が多い月って、ご存知ですか?
今日は特に「家の顔」である玄関にフォーカスしてお伝えします。
3月は新築のマンション、そして新築一戸建ての引き渡しがラッシュですが、1年で一番「新築」が多いのも、やはり3月というデータが出ています。
この3月に新築のマンションや戸建ての家に引っ越した、という人も多いと思いますが、引っ越しして3か月、そろそろ家の片付けも終わり、足りないものや必要なインテリアも揃ってきたころではないでしょうか?
さて、生活が落ち着いてくると、次は「素敵」、とか、「快適」というキーワードでインテリアを考えるようになると思います。
そんな意識の表れが、6月のインテリアを考えるきっかけかもしれません。
特に、「飾る」、「ディスプレイ」する、というのは楽しみながら簡単にインテリアを変えていくセンスの見せどころですし、何より「家の顔」ともなる玄関に置くものは、その人の趣味そのものがディスプレイされていると言っても過言ではないでしょう。
「何」を、「どこ」に飾るのか、今まで集めてきたコレクションをインテリア誌と首っ引きで、あれこれ飾って見るのは楽しいことだと思いますが、空間を劇的に変える「アート」の力を試してみたことはありますか?
「アート」を飾ることで、住んでいる人の「格」も上がりますよね。
でも、「アート」= 芸術とか美術というのは、ちょっと難しくてよくわからない印象のものでもありますよね。
そもそも芸術、美術、とは具体的にどのような意味があるでしょうか。
・芸術とは・・・ 正しくは「藝術」と書き、表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に作用し合うことなどで、精神的・感覚 的な変動を得ようとする活動。
・美術とは・・・ 視覚的、空間的な美を表現する造形芸術。絵画・彫刻・建築・工芸など。
要するに、「芸術」活動の結果として、「美術」が作られるという解釈になるわけですが、今はこの二つの言葉が同じ意味で捉えらえれているので、同義として使える英語、「アート」が一般的によく使われているのだと考えられます。
そして、表現しようとする人(作り手)と、鑑賞する人(使う人)の間に「相互理解」が得られた時、それは初めて芸術品となり、美術品となるのだということになります。
ところで、本来使われてきた「藝術」の「藝」の漢字は、「ゲイ」と読むほかに「わざ」と読むことをご存知でしたか?
「わざ」は「技」、技術のことです。
作る、ということは、技術の蓄積でもありますが、古来「藝術」というものはその「わざ」が蓄積してできた工芸品を指していました。
西洋でも彫刻、絵画、そういったものは師に学び、技術を鍛錬し、そこに自分の表現を見いだせたものが、美術品となり後世に残っていますし、それが最も大きいものは「城」という建築物であり、内装も含めて丸ごと「美術品」と言えます。
世界中どこの国でも、それぞれの文化に根付いた美術品は、それを作り出した職人の技があったからこそできたものであり、その技こそ「藝」となり、「美」を携えるものに昇華していったのだと思います。
さて、話が少し難しくなりましたが、それでは、玄関にアートを取り入れるとき、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?
「家の顔」ともいえる場所の玄関は、来た人が最初に目にする場所であり、家族が毎日必ず使う場所ですよね。
風水でも家で一番大切な場所とされていて、ここから入る「気」が、家全体の運気に影響するとまで言われています。
でも、日本には「靴を脱ぐ」習慣のため、どこの家にも必ず下駄箱があり、そのせいであまり広いスペースがないのが実情です。
ですので、この下駄箱の上部の空間を効果的に使うことで、素敵なインテリアを実現できます。
まず、壁の色や雰囲気をチェックします。白い壁や、フローリングの明るい色を活かしたいなら、飾るものも自然な色味のものを選びます。
明るくしたいという思いで、カラフルなものを選ぶ人も多いのですが、玄関は靴や傘など、意外に「色」が溢れる場所です。
たくさんの色味があると視覚的に疲れてしまいますし、飾るものによっては飽きが来るのも早いです。
グレーやモノトーンのものとは言いませんが、少し落ち着いた色味の「絵」や「版画」「陶器」を飾ると空間全体に調和します。
作品だけを見ると少し寂しいくらいのものでも、調和を意識することでぐっと存在感が増すことがあります。
天気によっても、一日の陽射しの表情でもそれは変わってきます。
朝、家を出るときも、そして疲れて家に帰ってきたときも、優しく迎えてくれるものをチョイスしたいですね。
女性の方は、ついフェミニンなものを選びがちですが、家族みんなが使う場所であり、男性の来客もあるはずです。
そういった条件からも、男性的でもなく女性的でもない、中性的なものを考える必要があります。
見る度に印象が変わる抽象画は、見る人それぞれの違う見方が話の種にもなりそうですし、トーンを抑えた版画もグレイッシュな色合いが年齢にこだわらずに支持されています。
でも、せっかくお気に入りの一枚を飾ったとしても、太陽光線で傷んでしまっては大変です。
自然の太陽光はアートを引き立てるのにとても大切ですが、直接日の光が当たる場所に飾るのはNGです。
人間の肌と同じで、日焼をしたり、色の変化はもちろん、退色という色抜けの結果にもなってしまいます。
どうしても、飾りたい場所に日の光が当たるというときには、UV加工をしたガラスを嵌めたフレームを選んではどうでしょうか?
美術館や博物館でも使っているUV加工のガラスは、太陽からの紫外線だけではなく、蛍光灯などの電球から発生する有害光線もシャットアウトしてくれます。
きちんとしたアート取扱業者であれば対応できることなので、アートを購入するときにはぜひ相談してみてください。
ちなみに、私の木象嵌は、UV加工ガラス入りのフレームをお選び頂けます。
日の当たるところ、また、より永く作品を楽しみたい方。本当にいいです!お勧めします。
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投稿者プロフィール
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1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。
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