先日から犬を飼っていらっしゃる方の家具を製作中ですが、この家の犬たちを木象嵌にしてみたのがこちら。
パピヨンと、
ダックスフントです。
犬のアートを木象嵌で作ってみたいという気持ちはあったのですが、今までこんな風に作品にしてみたことはありませんでした。
実際、本当に作れるのかな、という気持もありましたが、作ってみたら、犬の表情などがよく出ていて、写真とも、油彩や水彩で描く絵とも違い、なんとも雰囲気の良い「犬のアート」が出来上がりました。
「愛犬象嵌」というプロジェクトを立ち上げようと思い立ったのは、このパピヨンそしてダックスフントを飼っていたお客様が涙を流されて喜んでくださったことがきっかけです。
写真でもない、絵でもない。
でも、しっかりと愛犬の姿を映した木のアート。
愛犬が、家族の一員と想う方にきっと想いが届く、そんな象嵌をご注文いただけるように始めたプロジェクトです。
犬が好きな人であれば、きっと同じ気持ちを持たれると思いますが、犬と一緒にいられる時間は思っているよりも短いですよね。
寿命の違いですから、仕方のないことです。
でも、家族同様に愛情や気持ちのつながりが出来た大切な家族の一員となっている犬は、いなくなってしまうと心にぽっかりと穴があいてしまって、わかっていてもやるせない気持ちになります。
子犬の時から、何枚となく撮った写真も、一緒に遊んでいる時のビデオも、見ては微笑ましくも、涙が出てしまいますよね。
「心に寄り添ってくれた犬たちを、何とか木象嵌で表現できませんか?」
そんな声に応える形で作った上の2枚の木象嵌でしたが、写真ほどにリアル過ぎず、でも、飼い主だからこそわかるその犬の表情、しぐさが、木で描かれたものとは思えないほど豊かに表現できた「犬のアート」になりました。
実のところ、私はかなりの犬好きです。
小さいころには何匹か飼っていたこともあり、犬をみるとついつい声をかけてしまいがちです。
工房の周りは散歩コースにぴったりの場所でもあり、毎日いろいろな犬が散歩しにやってきます。
飼い主さんのお名前も存じ上げないのに、ワンちゃんとはかなり親密な仲、そんな犬たちもたくさんいます。
私自身が象嵌にしたいと思う犬も結構います。
散歩の途中で会ったことがきっかけで、その後会うたびに遊んでいるうち、すっかりなついてしまいました。
そして、飼い主さんが旅行に出るときにはご飯をあげたり、お散歩をお願いされるほどに。(苦笑)
こんなにかわいかったのが、
一年もしないでこんな顔に。
でも、怖い顔に見えて、実は愛嬌たっぷり。
家の玄関を開けた途端、3匹が尻尾を振り切れんばかりに振って私に跳びつき、そして服を引っ張り、顔を舐められ、気が付くと着ていたTシャツがボロボロに・・・。
そんなことがしょっちゅうありましたっけ。
全身で喜びを表現してくれた3匹ですが、知らない人が見ていたら、間違いなく「ハスキーに襲われている!」と思ったと思います。(苦笑)
嬉しい時はこんな顔、困ったときにはあんな顔。
他の人にはわからなくても、家族の一員である犬たちのそんな表情やしぐさを、「犬のアート」として、ずっとそばに残せたらと思うのです。
写真さえあれば、今はもう天国に召されたワンちゃんのものも作れますし、今、そこで走り回っているなら、いろいろな表情で描くことも可能です。
永く永く寄り添える愛犬の姿を、木に思いを込めて制作することを考えています。
それは新しい遺影の形になるのではないか、と思うのです。
人と違い、犬の遺影って案外難しいとお聞きしたことがあります。
新しい「犬の遺影」の提案にもなれたらいいな、そんな風に今は思っているところです。
愛犬象嵌でお作りした遺影の一例
「犬が好きな人に悪い人はいない。」
どこかで聞いたことがあるような言葉ですが、真の意味での「犬好き」の人が増え、犬を幸せにしてくれる人、そして犬がいることで幸せな時間を持てる人がもっともっとたくさん増えるといいなと願っています。
犬がくれた大切な時間、思い出を紡ぐ作品作り、「愛犬象嵌」。
それは、犬好きのための犬好き(私)による犬のアート。
木象嵌作家として、「犬」のためにがんばってよい「犬のアート」作っていこうと思います。
興味のある方はぜひお問合せください!
大切にお作りします。
投稿者プロフィール
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1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。
お問い合わせ→こちら
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