六花亭は北海道を代表するお菓子屋さんであり、北海道にお住いの方なら誰でも知っているのではないでしょうか?
私自身、ほとんどのお菓子を食べたことがあるのでは、と思うほど大ファンなお菓子屋さんです。

お菓子の箱に使われている花の絵は、坂本直行氏の作品であり、この花の柄もまたよく知られていると思います。
ちなみにこの坂本直行氏は、かの坂本龍馬の血筋の方で、先祖をたどると竜馬のお姉さんに行き着くことはご存知でしょうか?
遠い土佐の地からはるばる北海道開拓にいらした坂本家の方々が、今もこうして北海道を代表するお菓子と縁があるというのは何だか不思議な気がします。

さて、この六花亭はそのように会社の設立以来、一貫して文化、芸術の発展に寄与すべく、いろいろな活動をされている会社なのですが、その一つの事業として「六花ファイル」があります。
2015年で第6期となりますが、今回この第6期作品に収録していただいたので、今日はその作品をご紹介したいと思います。

「六花ファイル」は、「一人一箱。箱に収まるアートです。」をテーマに六花亭で使用されているお菓子の箱(サイズ 縦36.5cm 横29.5cm 高さ8cm)に入るアート作品であれば、どのような分野からも応募できるというちょっとおもしろい企画です。箱を開けるまでどんな作品に出会えるかわからない、そんなドキドキを見る人に感じてもらえる、なんだかびっくり箱のようなものなのです。

木象嵌 MASU

木象嵌 MASU

実は3年前に第4期募集の時にも、作品を収録していただいたのですが、この時は立体と平面を組み合わせた造形作品を出品していました。
小さな空間に、凸凹平面の3つの世界を表現した作品で、おかげさまで好評をいただき、その後札幌市の福住店で展示会をさせていただくことにもなりました。

それを踏まえ、今回の第6期作品募集のご案内を六花亭の方に頂いたとき、前回とは違う「おもしろさ」をプラスしたいと考えました。

木象嵌で、箱を開けるとびっくりするようなもの。
象嵌の完成度はもちろん言うまでもありませんが、もう一捻りが欲しくて、毎晩寝る前にアイデアを練る日が続きました。

そして出来上がったのが今回の「Open the door -花-」という作品でした。
「花」は特に昨年取り組んだものの中でも、自分の中で非常に形になったテーマでしたし、これを楽しんでいただくために箱を開けてもすぐには見ることができない、さらに扉を開いてもらうという動作をしていただくことを「仕組み」として作ってみたのです。木象嵌 六花文庫

 

 

木象嵌 六花文庫木象嵌 六花文庫扉を開けると、象嵌の花の世界が広がるというこの工夫が、やってみると自分でも楽しくなり、遂には扉が「しとっ」と閉まるように何度も試行錯誤して、納得のものになりました。

 

いよいよ3月も下旬になり、特に雪解けの早い今年の春。
六花文庫に、「箱に収まるアート」をご覧になりにお出かけになりませんか?

開催は2016年9月30日まで下記 六花文庫 にて行われています。

六花文庫
住所:札幌市南区真駒内上町3丁目1-3 10:00~17:00
休館日 日、月曜日(4月~11月) 3月は日、月、火

 

 

投稿者プロフィール

Akio Shimada
Akio Shimada
1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。

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