先日工房を見学されいた若いご夫婦が、「銀婚式用のものとか、作ってもらうこともできますか?」と聞いてこられました。
「はい、もちろんできますよ。」と答えたものの、「銀婚式」っていつのやつだっけ?・・・とちょっと心の中は冷や汗でした。
ご夫婦が帰られた後、すぐに調べてみましたが、銀婚式は結婚25年目の記念日のことですよね。
金婚式は50年目の記念日で、この銀婚式、金婚式をお祝いされる方はやはり多いのではと思います。
調べてみると、銀婚式には「フォークやスプーン、アクセサリーなどの銀製品」を贈ることが望ましいとされているようです。
だから、「銀」 婚式なんですね。
実は、結婚記念日には、1年目からこの「婚式」があることをご存知でしたか?
私ももちろん知らなくて、今回調べて初めてわかったので威張っては言えませんが。
せっかくなので、ご紹介いたします。
1年目 | 紙 婚式 | レターセットなどの紙製品を贈ります。 |
2年目 | 木 綿式 | 木綿製品のプレゼントを贈ります。ハンカチやスカーフ、シャツなど。 |
3年目 | 皮 婚式 | 靴やカバンなどの皮革製品を贈ります。 |
4年目 | 花・実 婚式 | 花束を贈ります。花が実を結ぶ、という意味合いがあるようです。 |
5年目 | 木 婚式 | 木製品を贈ります。木の額や、家具なども。 |
6年目 | 鉄 婚式 | 鉄製品を贈ります。鉄のフライパンなど、調理器具を贈ります。 |
7年目 | 銅 婚式 | 銅製品を贈ります。銅のお鍋など。 |
8年目 | ゴム 婚式 | ゴム製品を贈ります。 |
9年目 | 陶 婚式 | お茶碗、盛り鉢など陶器を贈ります。 |
10年目 | 錫、アルミニウム 婚式 | 錫、アルミニウム製のものを贈ります。錫のアクセサリーなど。 |
11年目 | 鋼鉄 婚式 | 鋼鉄のように絆が深くなるよう思いを込めて、鍋や包丁を新しく変える意味があるそうです。 |
12年目 | 絹・麻 婚式 | 絹のスカーフ、麻のシャツなど、身に着けるものを贈ります。 |
13年目 | レース 婚式 | レース編みのハンカチなどを贈ります。 |
14年目 | 象牙 婚式 | 象牙製品を贈ります。アクセサリーなど。 |
15年目 | 水晶 婚式 | 水晶のアクセサリーや、水晶を使った時計などを贈ります。 |
20年目 | 磁器 婚式 | 白磁など、輝きのある調理器具を贈ります。 |
25年目 | 銀 婚式 | フォークやスプーン、アクセサリーなどの銀製品を贈ります。 |
30年目 | 真珠 婚式 | 真珠を贈ります。 |
35年目 | 珊瑚 婚式 | 珊瑚の置物や珊瑚を使った装飾品を贈ります。 |
40年目 | ルビー 婚式 | ルビーの指輪など、アクセサリーを。 |
45年目 | サファイア 婚式 | サファイアを使った装飾品を贈ります。 |
50年目 | 金 婚式 | 金の装飾品を贈ります。 |
55年目 | エメラルド 婚式 | エメラルドの装飾品を贈ります。 |
60年目 | ダイヤモンド 婚式 | 最高の結婚記念日に、ダイヤモンドの輝きを贈ります。 |
すごいですよね。
鋼鉄婚式、とか、ゴム婚式、とか、初めて耳にしたものばかりでした。
何より、どこまで贈り物を送らなければならないのか、先の長さにびっくりです。宝の山ができそうですね(苦笑)。
この「~婚式」の習慣は、ドイツで始まったそうでその歴史は古く、最初の銀婚式は1624年に行われたそうです。
(金婚式はもう少し遅く、1860年に始まったと言われています。当時の寿命も関係しているのではないでしょうか。)
日本では、明治27年に明治天皇が初めて「銀婚式」のお祝いをされて、それ以来広く一般にも伝わったようです。
こうして考えると、大事なのは、「なに」を贈るかではなく「気持ち」を贈ること、互いを思いやるその心が大切なのではないでしょうか?
そして結婚して25年目ともなる「銀婚式」では、生まれた子供も成長し、そろそろ社会人として独り立ちしているケースも多いので、夫婦同士でというよりは、ご家族の方が両親に感謝の気持ちを表す、「けじめ」のようなものかもしれません。
2015年の「銀婚式のプレゼントランキング トップ5」では、
1、名入りグッズ(お箸やマグカップなど)
やっぱり、定番の「めおと箸」。名前が入っていると特別感満載ですね。
使うのには気恥ずかしさもあるような気がしますが、根強い人気です。
ただ、気をつけたいのは「縁起」を担ぐ人には要注意のプレゼントだということ。
「箸」を「橋」に例えて「三途の川を渡る橋へのハシ渡し」などと、「あの世」を連想させるため、特に高齢の方には要注意とされているからです。
最近はこんな「縁起」も担ぐことは少なくなりましたが、気には留めたいものです。
2、花束
こちらも定番ですよね。特別な日には特別な花束を贈りたいものです。
3、ワイン
人生で一度は飲みたいワイン、ドンペリ。シャンパンと一緒に笑顔も弾けそうですね。
4、ケーキ
家族みんなで楽しめるケーキは、マストアイテムですね。
最近は、宅配サービスや、デコレーションのサービスで顔やメッセージをケーキの表面にデコレーションしているものもありますから、2倍、3倍の喜びもプラスされるかも・・・。
そして5番目は旅行券がランクイン。
旅行券はご両親が元気だからこそ、「行ってらっしゃい!」の優しい気持ちが伝わります。
でも、ただ贈り物を送るだけではなく、普段なかなか言えない「ありがとう」の言葉、そして「おめでとう」の言葉を直接言ってあげられるそんな機会になることはもちろん、夫婦で、そして家族で、絆を確かめ合う、感謝し合う、それを「けじめ」として祝うというのは、先人の知恵なのかもしれません。。
でも本当に嬉しくなるような、もらって喜んでもらえるような贈り物を探すのは大変ですね。
そんな時どうしたらいいのでしょうか?
私は、あえて「何が欲しいか?」ということを聞いてみてはどうかと思います。
サプライズもいいですが、実はあまり嬉しくなかった、なんてことは絶対に避けたいことだからです。
花束や、ワインに手紙を添える、家族の写真をフレームに入れて一緒に贈る。
そんなことをプラスするだけで、「想い」が形になるのではないでしょうか?
写真などは、側に飾っているだけで、元気をもらえるパワーアイテムだと思います。
思い出に残るものをずっと飾る歓び。
それもまた「銀婚式」という節目にはぴったりの贈り物だと思います。
私が木象嵌を作るとき、こうした「想い」を何より大切にしたいといつも思っています。
家族で見上げる掛け時計や、家族の思い出の花、家族の絆を繋ぐもの。
他にはない、世界にただ一つのオリジナルのプレゼントとして、木象嵌は、きっとご両親に喜んでいただけるものになると思います。
「銀婚式」に、世界にただ一つだけの木のアート、木象嵌の贈り物はいかがですか?
木象嵌は精緻な技の連続で作られて行きます。ご相談、お見積りはいつでもお気軽にご連絡ください!
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投稿者プロフィール

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1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。
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