「ポストカードの在庫、ほとんど無いですよー」

そう連絡をくださったのは、札幌の大通りにあるお店、YUIQさんから。

YUIQさんでは、数年前から私の作品を取り扱って頂いており、今回も追加の納品のご注文を頂いたのですが、昨年の冬以降に扱って頂いているのが、木象嵌のポストカードです。

IMG_0223

富良野での展示会で作った、「花」「実」「葉」の作品は、カメラマン 藤倉翼さんにお願いして、それぞれたくさんの写真を撮ってもらっていました。

IMG_3280_02

その写真を使って、何かもっとたくさんの方に木象嵌を見てもらえる機会ができないものか、と思案しているうち、オリジナルのポストカードを作ってみようと思いました。

作ってみると、これがとても好評で、作品をご覧になったことがある、無いに関わらず、先のYUIQさんはもちろん、JR石狩太美駅に隣接するFIKA(フィーカ)さんや、札幌芸術の森工芸館の売店 ベストポケットさんでも追加納品のご連絡を頂いていて、ありがたいことと思っています。

たくさんの方に見て頂きたいという思いはあっても、展示会にお越しいただけるのは限られた人数であるのは仕方のないことです。

気軽に見たり、触れたりできるものを考え、展示する場所を確保していくのは、大切なことだと思っています。

しかし、木象嵌を作るのはすべて手作業なので、とても時間がかかります。

IMG_0128_02

クォリティを保ったまま量産するのは絶対に無理だと思っていました。

そして、木象嵌は、写真に撮るとどうしても作品本来のもつ味わいとは変わってしまうのではないか、とも思っていたのです。

でも、富良野での展示会で、「作品自体は買って持ち帰ることはできないけれど、その雰囲気を、帰って家族に伝えたい」というお客様からの声をお聞きし、それがポストカードを作るきっかけとなったのです。

それぞれの作品は高さが120cmほどあり、すべてをポストカードの中に納めることはできません。

作品のどこの部分をカードにしていくのか、簡単なようで意外に悩む作業に、あれこれと補助の道具を作って悩むこと数回。

IMG_0709

「あれこれたくさん見てもらいたい。」、「苦労したところも見てもらいたい。」という作家の立場での勝手な希望と、その象嵌のどこを見てもらうのが一番美しいのか、という憶測から、あれこれ審議した結果、この3枚になりました。

「花」

PC花 web

ルピナスの花弁、そしてダリアの花びら、その一枚一枚をすべて細かいピースで嵌め込んでいきます。

同じウォルナットという材料でも、一枚の材料の中で微妙に色の濃淡があるので、それを活かしきる形で作ってみました。

これくらい拡大しないと、ダリアの花びらが、それぞれ一枚一枚象嵌しているとは気づかれないかもしれませんね。(苦笑)

「実」

ポストカード実web

これも、ダリア同様に、松ぼっくりの実のごつごつした質感を出すために、細かいピースを連続して用いて象嵌しています。

実だけではなく、葉の美しさも楽しんでもらえる部分を選りすぐりました。

「葉」

ポストカード葉web

「その木の葉を、その木の材で作る」ことにこだわって作った木象嵌です。

朴(ほお)、ナラ、セン、白樺、それぞれの葉を、それぞれの木の材料を用い、その葉の特徴と美しい葉脈までもを表現できるよう尽くした作品です。

ベースの色と相成って、葉の美しさがひときわ目立つのか、「花」「実」に負けず劣らずの人気となっているのは嬉しいことです。

初めは、この3枚だけの販売でしたが、以前に自分用に作って好評だった「ダーラヘスト」のポストカードを追加しました。

「ダーラヘスト」

s-PCダラナヘスト表

このポストカードは、「部屋に飾る」とおっしゃって下さったり、「人にあげたい」と、プレゼント用にも買って行かれる方が多いらしく、特にスウェーデン風の駅舎が特徴の、JR石狩太美駅に隣接するFIKA(フィーカ)では一番人気のようです。

木象嵌は、どうしてもすべてが手作業で作っていること、緻密な作業が多いので時間がかかること、などから価格も数万円から数十万円と高価になりがちです。

価格の価値は十分にある、と自負していますが、「お友達にちょっとプレゼント」と言うわけにはいかないかもしれません。

そんな時に、このポストカードは目新しさもあり、木の温かさも感じられるということで、お手紙を書いたり、ちょっとしたプレゼント用に喜ばれているのだと思います。

こんなに好評を博すとは、自分でもちょっと思っていなかったこともあり、新しい柄のものをしばらく作っていませんでしたが、
新たにいくつか作るつもりでいます。

実は、「花」と「実」は、拡大することによって元の象嵌のイメージが全くわからないので、気になっていました。

それで、新しいタイプのものを作って販売を始めることにしました。

「花の新しいもの」

PC花

「実の新しいもの」

PC実

そして、さらに、ご要望が多い「蓮」のポストカードを作る予定です。

自分用に仕事で作ったタイプがこちらなのですが、新しく藤倉さんに写真を撮ってもらったものがあるので、作るものはさらに良い出来になるはずです。

「蓮・自家用」(こちらは販売しておりません)

PC蓮web

木象嵌の作家として、「象嵌ってこんなもの」ともっと知ってもらうための活動をしなくてはといつも思っています。

印刷物は、時として元の象嵌作品とは質感がすっかり変わることもあり、それを恐れていたのも事実です。

でも、こうして多くの皆さんにポストカードを選んでいただけることが、こうした「広める」ことにつながるのかな、と今はワクワクした気持ちでいます。

販売しているお店はこちらです。

YUIQ

フラノ寶亭留

当別観光情報プラザ FIKA

芸術の森工芸館売店

道外の方には直接販売もしております。下記「問い合わせはこちらから」をクリックして、問い合わせフォームに「ポストカード希望」と書いてメールを送信してください。担当から折り返しご連絡いたします。

販売価格は、一枚 162円です。(すべての柄で共通価格です。)

ご注文をお待ちしております。

問い合わせはこちらから

投稿者プロフィール

Akio Shimada
Akio Shimada
1971年生まれ。北海道苫小牧市出身。日本各地で木工修行の後、スウェーデンで北欧の木工技術を学び、2007年日本人として初めて「スウェーデン家具マイスター」の称号を得ました。高い技術を誇る木象嵌と家具の製作をしています。

お問い合わせ→こちら

関連記事

  1. 還暦祝いプレゼント|両親に贈ってはいけない7つのタブーとは

    2016.07.8

    還暦祝いプレゼント|両親に贈ってはいけない7つのタブーとは

    今年の還暦を迎える方は、1956年(昭和31年)生まれの方です。満年齢で60歳、数え年なら6…

    還暦祝いプレゼント|両親に贈ってはいけない7つのタブーとは
  2. お便りに励まされるという「幸せ」

    2020.01.25

    お便りに励まされるという「幸せ」

    今日は、先日頂いたとてもありがたいお手紙をご紹介したいと思います。読んでいるうち、お会いした…

    お便りに励まされるという「幸せ」
  3. 50男が、記念日に贈る秘密の小箱

    2016.06.10

    50男が、記念日に贈る秘密の小箱

    「秘密の小箱」と聞くと、ちょっとワクワクした気分になりませんか?昨日小学4年生の息子に「図工…

    50男が、記念日に贈る秘密の小箱
  4. 「教えて、木の名前!」は難問?!木の種類っていくつある?

    2016.07.5

    「教えて、木の名前!」は難問?!木の種類っていくつある?

    先日も札幌の定山渓と言う場所で、木象嵌の打ち合わせをしている時でした。森に囲まれた、…

    「教えて、木の名前!」は難問?!木の種類っていくつある?
  5. 「蓮」製作のその後と展示会風景

    2015.08.26

    「蓮」製作のその後と展示会風景

    すっかりブログの更新ができないまま1ヶ月以上経ってしまいました。申し訳ありません。木象嵌「蓮」の…

    「蓮」製作のその後と展示会風景
  6. 共有と感性

    2016.03.2

    共有と感性

    人の目と言うのは不思議なものだな、と思う瞬間があります。はっきりと見ているようで、見ていたのはそ…

    共有と感性
  7. 新作象嵌「蓮-HASU‐」の製作中です

    2015.06.29

    新作象嵌「蓮-HASU‐」の製作中です

    6月に入り本格的に製作を開始した「蓮」。なかなか思うように作業が進まず、ブログでも作業風景のアップが…

    新作象嵌「蓮-HASU‐」の製作中です
  8. 北海道富良野市で、木象嵌の個展が始まりました!

    2014.12.2

    北海道富良野市で、木象嵌の個展が始まりました!

    12月1日より北海道富良野にありますフラノ寶亭留(ホテル)にて、木象嵌を集めた展示会「Gracing…

    北海道富良野市で、木象嵌の個展が始まりました!
  9. マイスターがつくる象嵌家具の製作、公開します ‐その2‐

    2016.05.26

    マイスターがつくる象嵌家具の製作、公開します ‐その2‐

    前回のブログの続きです。さて、持ち帰った宿題を一つ一つ洗い出します。特に構造は、今回…

    マイスターがつくる象嵌家具の製作、公開します ‐その2‐
PAGE TOP